07.08
Saturday
2023

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11.08
Wednesday
2006

とても面白い芝居を観ました。
リュカ『vocalise』。
死に向かう病の旦那さんが、帰らないつもりで、海外に出かけていく、最後の晩餐の話。
というと乱暴か。
知っている奥さん、友人、知らない他人。

話が進んでいく最初の方で、ああ、と思ったのは
あー。ワタシも逃げるなあ、ということで。
多分、というか絶対的に、
ワタシはものすごくひどいことになる。
死に向かうことが
それが砂時計の砂が増えるみたいに
自分の足下に溜まっていくのを
多分見ていって

どうやってヒトに優しくしていられるんだろう。
悲しいことに、狂うこともできないで、
死に向かうその事実だけが
ものすごく細く強く
正気でここに留まることを強要する。
砂の重さを。

だからものすごく逃げたくなる。
のに
そうしていることを許して欲しいなんて
どうかそばにいて欲しいなんて

どうやって言えるんだろうかと。

答えは分かっていて、
でもその逃げたいのと同じくらいに
同じくらいに
どうか側にいてくださいと
そばに最後までいてくださいと
目を閉じるその瞬間まで
どうかあなたと
あなたを目にしていられますようにと。

ものすごく
思うのだろうと。

お芝居は、とても幸せにおわりました。
とても素敵に。


ちょいちょい前まで、
そういう風に思うヒトがいたことが
今はいないことが
たまにこうやって揺り動かしで再認識したりする。

感傷ではなく
そういうことを思うことを得られたのは
幸せだったなあ、と。
あれはあれで素敵な日々だったなあ、と。

そういうことを思う。
そんなお芝居。


題名の『vocalise』を調べてみた。
『声をだしてください』


許されるのですかね。それは。
そのものすごいエゴは。



はーい。だしますよ。
いつかね。